イオン環境財団と早稲田大学の連携体制発足
公益財団法人イオン環境財団(理事長 岡田 卓也 イオン株式会社名誉会長相談役)と早稲田大学(総長 田中 愛治)は、時代に即した環境課題の解決を目指すため「AEON TOWAリサーチセンター」を設立しました。当リサーチセンターは、双方のこれまでの経験や知見、学術研究を結合し、環境をはじめとした地域課題対応や人材育成など新たな価値を創造することで、持続可能な社会の実現をめざしていくものです。
イオンはお客さまを原点に、「平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する」ことを基本理念としています。この基本理念のもと、イオン環境財団は、1990年に、環境課題に取り組むことを目的とし設立し、「ひとつしかない地球を次代へ引き継ぐため」30年間、さまざまな環境、社会貢献活動を継続しております。現在、両者はアジア学生交流環境フォーラムをはじめとする「国際環境人材育成」を実施しています。
当リサーチセンターの設立にあたり、人材育成以外の事業分野においても連携を深め、社会の喫緊の課題に対応するため、森づくり、地域づくり、人づくりに取り組みます。
学術研究に基づく持続的な地域社会である、新たな「イオンの里山」の構築を目指すと同時に、AEON Peopleと本学の学生、卒業生が共に学ぶ「共育」を通じて、「次の社会に貢献する人材」を育成します。
連携の一つの柱となる「イオンの里山」の定義、概念については、従来の里山の概念を拡張するものです。
拡張の要素としては、これまで環境総合研究センターなどでも力を入れている研究分野であるエネルギー、資源循環研究によってもたらされる「地球環境の持続性」、社会インフラの維持、コミュニティ・福祉に関する研究による「地域社会の持続性」を確保し、さらに「人と生活の持続性」を視野にいれたものであり、現代と将来の課題に即した、「新しい里山の大循環」をめざした研究を展開していきたいと考えています。
具体的な研究プロセスとしては、こうした里山に関する地方自治体のアンケートを通じて社会のニーズをとらえ、ここに学内外の関連する研究者を集結します。そして、こうした研究者の持つシーズをAEON Peopleの皆さんにオンディマンドコンテンツとして提供し、この中から新しい里山に繋がる研究対象を絞り込み課題解決に取り組んでいきます。
これらの研究を通じて、こうした里山の大循環構築にともなう社会の新しい価値の創造に取り組んでいこうというものです。特に、SDGs実現に向けたて、里山で取り組む市民参加の効果の検証や、お客さま参加型枠組みで企業がSDGsをめざしていく社会的先導モデルの開発は重点課題となります。
また、新しい概念である「イオンの里山」構築を通じて、里山も含めた環境イシューの解決を目的とするだけではなく、解決をめざすことを通じて、解決する人材を育成していくことをめざします。
研究活動に学生が参加していくこと、AEON Peopleの皆さんの経験を教育の場に活用させていただくことを通じて、現場・現実・現物主義の教育を実現していきます。本センターでは、さまざまなイオンとの連携関係で活動する学生をAEON TOWA Studentsとして組織化し、AEON Peopleの皆さんとより密接な関係になり、相互に学ぶ場を創出していきたいと考えています。人材育成というプロセスは、一方が他方を育てるのではなく、共に育つこと『共育』でこそ、実現されるものです。